【事例紹介】BYOD+DaaS環境のためのクラウド活用

この導入事例では、東京都内の某大学様におけるBYOD環境のためのクラウド活用事例について詳しくご紹介いたします。

| お客様が抱えていた問題点・課題

お客様の学内ネットワークでは多数のPCやサーバがあり、これらは学生の皆さんや教職員の方々といった沢山のユーザが授業や研究の場面で利用されていました。
しかし、こうしたIT環境を効率的・安定的に運用するためには、十分な機器の台数を用意して管理する必要があり、そこにかかる各種のコストは無視できない要素で、こうした管理業務やコストの適正化が課題となっていました。

費用の増加:サーバ等の継続的・安定的稼働のため、機器のメンテナンス等は必要不可欠だが、その業務に要する人的コストが非常に高い。
複雑化の回避:新たな仕組みの導入や管理業務の効率化を行いたいが、ネットワーク構成の変更や管理すべき機器の増加など、業務内容やIT環境が複雑化してしまうことは回避したい。

そんな折、ITの世界では「BYOD」の考え方が登場してきました。

BYOD (Bring your own device)
従業員が個人保有の携帯用機器を職場に持ち込み、それを業務に使用することを示す。日本語では、私的デバイスの活用。元々はCitrixのマーク・テンプルトンが、2009年にBYOC(computer)を提唱したことから、IT業界で使われる言葉となった。(出典:Wikipedia

このお客様では、IT環境の構築・運用において、以前から「5年後のスタンダード」をテーマとした先進的な仕組みの導入を標榜されており、その一環でBYODの採用を検討したいとお考えでした。BYODによって、従来要していた学内の機器を管理する業務量や各種のコストを低減させることができるためです。
また、学生の皆さんのPC必携化を行い、これに伴ってBYODの導入も行いたいお考えでしたが、単純にBYOD化を進めるだけではすべての課題を解決できる訳ではありませんでした。

| BYODとDaaS導入の検討

BYODによって得られるメリットはありますが、同時に以下のような課題を解決する必要がありました。

BYODにより、従来の機器管理に要する労力やコストの低減が期待できるが、授業等で利用するにあたり、個々の機種によるスペックの違いやインストールされているソフトウェアの違いが生じるのは問題。

こうした課題に対し、利用環境となるユーザ個々の機種の差異を吸収できる仕組みとして、HTML5ベースのデスクトップ仮想化環境の併用が検討されました。
この環境であれば、HTML5に対応したウェブブラウザさえあれば良く、機種毎のスペックの違いによる影響を受けにくいという大きなメリットがあったためです。
また、仮想デスクトップ化に伴って同時利用クライアント数を制限することにより、各種ソフトウェアのライセンス費用を抑え、省コスト化につなげることもできます。

| クラウド利用による仮想デスクトップ環境の実現

当社からは仮想デスクトップの運用基盤を始めとして、当社のプライベートクラウド/データセンターの併用とSINETを介した学内ネットワークと各種サーバの接続をご提案しました。
仮想デスクトップ環境はDaaSとして当社がサービス提供し、更に、これまでオンプレミスで運用されていた各種のサーバについても、当社がプライベートクラウドとしてサーバ環境を提供するという案です。


この構成であれば、サーバ等の運用は当社スタッフが行うため、システム全体の管理業務負荷の軽減につながります。
コストについても、サービス利用となるため、運用コストだけでなく、陳腐化に伴う機器のリプレースや新たな機器導入のための支出も抑えることができます。

また、お客様と当社間の接続にSINETを利用する案については、札幌と首都圏という長距離を結ぶ新たな回線を手配しなくても通信環境を整えることができるというメリットがございます。
また、遠距離にあるため、災害発生時等のBCP対策にもつながります。

| 仮想デスクトップ環境の利用予約システムの導入

さらに、効率的な仮想デスクトップ環境の利用を実現するため、当社からはDaaS環境と連動する利用予約システムの採用も提案いたしました。


従来の環境であれば、予めPCが設置されたPC教室を授業などで使用するため、その教室が使用中の間、他の利用者は使う事ができないという場面がありましたが、デスクトップ仮想化以降は、特定の教室でのPC使用に縛られることがなくなるため、使用されていない仮想デスクトップや各種ソフトウェア資産を有効に活用することができます。
その仮想デスクトップ環境の利用状況を管理し、ユーザに貸し出すための仕組みとして利用予約システムの採用を提案しました。

| 事前の性能評価も実施

上記の各案については、概ね評価を頂きましたが、実際の採用可否をご判断いただくため、お客様と共に本番と同様なシステム環境を用意し、実際にSINETを介した性能評価試験を実施いたしました。
この試験は、授業等で主に使用されるアプリケーションを操作してみるなど、実際の利用状況を想定した内容にて行われ、HDもしくは4K画質といった高品質の動画データの再生を複数の仮想デスクトップ上で同時に行うといった負荷試験も併せて行われました。

これらの試験の結果、最終的に当社からの提案が採用されることとなり、DaaS環境だけでなく、ファイルサーバなどの各種情報基盤についても、当社のプライベートクラウド/データセンターをご利用いただくこととなりました。
その結果、これまでの課題とされていた点は、以下の通り改善されることとなりました。

Before After
・IT環境に必要となるコストの増加。 ・オンプレミスからサービスへの移行により利用料となることでコストを削減
・システムや管理業務が複雑化する懸念。 ・サービス利用のため、管理業務の負荷が軽減
・BYOD採用の検討。 ・仮想デスクトップとの併用で、コスト削減と共に学内ユーザに対する利便性が向上